こんにちは!
理学療法士のTDです。
「からだリハビリ帳」では、理学療法士の知識と経験をもとに、からだの痛みや運動、ストレッチなどについて、できるだけ分かりやすく発信しています。
今日も一緒に、からだについて学んでいきましょう!
「運動したほうがいいのは分かっているけど、毎日トレーニングするのはちょっと面倒……」
そんな人に、一度試してほしいのが**「ドローイン」**です。
特別な道具も、広いスペースも必要ありません。
やることは、とてもシンプル。
お腹をへこませた状態で、ゆっくり呼吸する。
基本はこれだけです。
「本当にこれでトレーニングになるの?」
と思うかもしれません。
実はドローインは、腹部の深い部分にある筋肉を働かせる方法として、リハビリや体幹トレーニングでも用いられています。
○ドローインとは?
ドローインは、お腹を内側に引き込むようにして腹部の筋肉を収縮させる運動です。
ポイントは、単純に息を止めてお腹をへこませるのではなく、お腹をへこませた状態で呼吸を続けること。
激しい運動ではないため、運動習慣がない人でも取り入れやすいのが特徴です。
お腹の奥にある「腹横筋」を使いやすい
ドローインで特に意識したいのが、**腹横筋(ふくおうきん)**という筋肉です。
腹横筋は、お腹の深いところをぐるっと囲むようについています。

イメージするなら、**からだの内側からお腹や腰を支える「天然のコルセット」**のような筋肉です。
ドローインを行うことで、腹横筋や内腹斜筋などの活動が高まることが研究で報告されています。
そのため、見た目は地味な運動ですが、
「普段意識しにくいお腹の深い筋肉を使う」
という目的で活用できます。
腰まわりの安定にも関係する
腹横筋をはじめとした体幹の筋肉は、姿勢や動作中の体幹の安定に関わっています。
そのためドローインは、腹部の筋肉を意識して使う練習として、リハビリや体幹トレーニングに取り入れられることがあります。
腰痛のある人を対象に、ドローインを含む体幹運動について検討した研究もあります。
ただし、ここで注意してほしいのが、
「ドローインをすれば腰痛が治る」というわけではない
ということです。
腰痛の原因や状態は人によって異なります。
ドローインはあくまでも、体幹をコントロールするための運動のひとつとして考えておきましょう。
痛みが強い場合や、運動によって症状が悪化する場合は無理に続けず、医療機関などに相談してください。
「お腹をへこませる=痩せる」ではない
ここは勘違いされやすいポイントです。
ドローインをすると、その場でお腹がスッとへこみます。
しかし、それはお腹の脂肪が燃えているからではありません。
筋肉を使って、お腹を内側へ引き込んでいるためです。
そのため、ドローインだけでお腹の脂肪が落ちるとは考えない方がよいでしょう。
体脂肪を減らしたい場合は、食生活の見直しやウォーキングなどの有酸素運動、筋力トレーニングなどを組み合わせることが大切です。
一方、ドローインには、普段意識しにくいお腹の筋肉を使う感覚をつかむ練習になるというメリットがあります。

「いきなり本格的な筋トレはちょっと……」
という人にも取り入れやすい運動です。
ドローインのやり方
では、実際にやってみましょう。
初めて行う場合は、からだの力を抜きやすい仰向けがおすすめです。
- 仰向けになり、両膝を軽く曲げます。
- 肩や首の力を抜きます。
- ゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませます。
- 「おへそを背中に近づける」ようなイメージで、お腹を内側へ引き込みます。
- お腹をへこませた状態で、自然な呼吸を続けます。

最初から長時間頑張る必要はありません。
まずは10秒程度から、無理のない範囲で試してみましょう。
慣れてきたら少しずつ時間や回数を増やしていきます。
頑張りすぎないのがコツ
「せっかくやるなら、限界までお腹をへこませよう!」
と頑張りすぎる必要はありません。
大切なのは、お腹をへこませた状態でも自然に呼吸できることです。
行っている途中に、
- 息を止めていないか
- 肩や首に力が入っていないか
- お腹に必要以上に力を入れていないか
- 腰を反らしすぎていないか
を確認してみましょう。

慣れてきたら、仰向けだけでなく、座った姿勢や立った姿勢で行ってみるのもよいでしょう。
さらに、ブリッジなどの運動と組み合わせる方法もあります。
まずは簡単な姿勢から始めて、少しずつステップアップしていくことが大切です。
「今日は運動できなかった」そんな日にこそ
ドローインは、汗だくになるような激しい運動ではありません。
だからこそ、始めるハードルが低いのが魅力です。
テレビを見ているときや寝る前など、ちょっとした時間にも取り入れられます。
「今日は何も運動できなかった……」
そんな日も、まずは10秒だけ。
お腹を軽くへこませて、ゆっくり呼吸してみてください。
簡単だからこそ続けやすい。
そして、続けることで自分のからだや筋肉の使い方を意識するきっかけにもなります。
まずは今日、10秒。
この記事を読み終わったら、一度試してみませんか?
コメント